変形性膝関節症について

変形性膝関節症ってなぁに?

医者「変形性膝関節症:へんけいせいしつかんせつしょう」

膝関節は大腿骨(だいたいこつ:太ももの骨)、脛骨(けいこつ:すねにある2本のうち、内側つまり親指側の骨の太い方)と膝蓋骨(しつがいこつ:膝の皿とよばれています)の3つの骨がそれぞれ軟骨で覆われ、直接接触しないような構造になっています。そして、膝の関節が正しく動くように筋肉や腱、靱帯などの組織が支えています。

変形性膝関節症は、膝を正しく動かす支持役の筋肉や腱、靱帯などが加齢や他の原因で弱まり、正しい膝の動きを支持出来なくなることにより、徐々に膝関節の大腿骨・脛骨・膝蓋骨の表面にある軟骨量が減少したり無くなり、膝関節を形成している「大腿骨、頸骨および膝蓋骨」自体が変形し、大腿骨と脛骨が直接接触するために、痛みや腫れをきたす状態を言います。

変形性膝関節症が進行し重症になると、本来の膝の滑らかな動きが障害され、関節の変形による運動時の疼痛(とうつう)、 可動域(かどういき)制限等により、起立や歩行に大きな影響を与えるため、患者様の日常生活(ADL:アクティビティ・オブ・デイリー・リビング)に障害を来し、ついには生活の質(QOL:クオリティ・オブ・ライフ)を著しく低下させてしまいます。

どのくらいの数の患者さんがいるの?

1)2,530万人 [東京大学病院22世紀医療センターの調査(2011年)]

わが国の、40歳以上の約2,530万人が変形性膝関節症を発症している可能性があり、その内訳は男性が860万人(34%)、女性が1,89万人(64%)と女性に多い病気です。 また、全男性の42.6%、全女性の62.4%に変形性膝関節症の発症があると予測されます。

2)700万人 [国民生活基礎調査(2011年)]

上記約2,530万人のうち、約700万人にその自覚症状があると考えられます。

3)118.5万人 [厚生労働省による我が国の保険統計(平成22年)]

上記700万人の自覚症状を持つ患者さんの中で118.5万人(17%)の患者さんは、病院で何らかの治療を受けています。つまり残りの83%の患者さんは病院に行かず、痛みを我慢して生活していることが考えられます。

どんな治療があるの?

救急箱変形性膝関節症への治療は一般的に以下のような治療法があります。

保存的治療

日常生活指導

膝への負担を減らすことを目的に、日常生活における習慣を見直す治療です。

  • 正座、階段の昇降、脚の屈伸運動や長時間歩行等を極力控える
  • 歩行時には杖を使用する
  • 体重を減らす
薬物療法

内服薬や外用薬による鎮痛効果を狙った治療です。

  • 消炎鎮痛剤の服用
  • 外用剤の使用
  • 膝関節への注射(ヒアルロン酸を注入する事による関節軟骨の保護・軟骨修復・鎮痛作用)
理学療法

あし(脚)の運動機能が低下している患者さんに対し、運動機能の維持・改善を目的に運動、温熱、電気、水、光線などの物理的手段を用いて行われる治療法です。

装具療法

膝関節や股関節にかかる負担を軽くすることと、関節を安定させることです。装具は、患者さんの関節の状態や骨格に合ったものを使用します。

  • サポーター(軟性装具)
    軽くて着け外しが良いですが、サポーターそのものは、関節の負担の軽減や関節を安定させる作用は強くありません。装着することで得られる安心感と、関節の保温効果が得られます。
  • 足底版
    靴の中に入れたり足に直接つける装具です。足の外側が高くなっていて、O脚を若干補正します。立ち上がったり歩いたりする時の膝の内側にかかる負担を軽減し、痛みをやわらげることを目的としています。
  • 硬性装具(ブレイス
    プラスチックや金属の枠組みでつくられた装具で、膝関節の安定性を高め、痛みをやわらげることを目的としています。

外科的治療

保存的治療の効果が得られないときに外科的治療(手術)が治療手段として選ばれます。

関節鏡視下手術

この手術の対象は、関節に水がたまる例、異常音等半月板損傷、軟骨損傷、関節遊離体等が原因と考えられる例です。病期が進行した例は対象にならない場合が多いです。

骨きり術

膝の変形を矯正するために、関節部の骨の一部を切ることにより、部分的に集中した荷重を分散させて、膝の安定性を増加させることが目的です。

人工関節置換術

最近は術者の技術、人工関節のデザインや材質の進歩もあり手術後の成績は大きく向上しています。病期が進行した例が手術の対象になります。手術の施行時期は、患者様の疼痛の程度と日常生活の不自由さ等により考えます。術後の耐用年数を考慮し、60歳以上の人が手術の対象となる場合が多いです。

 

 

ノート弊社がご提供するブレイスは、「保存的治療」の「装具療法」の中の「硬性装具による治療」です。
詳しくはこちらのOAブレイス “なでしこ” とはをご覧になってみてください。

 

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